2010/12/21 税制改正大綱

先日公表された2011年度の税制改正大綱について、相続贈与の部分を

ご紹介したいと思います。 

 

まず驚いたのが、相続税の基礎控除の縮減。大した議論もないままに、

あっさり決まりました。

基礎控除額 
現   行  大   綱 
5,000万円+1,000万円×法定相続人の数   3,000万円+600万円×法定相続人の数

 

上記の金額を超える財産を持つ方の場合、相続税の申告が必要になります。

(特例を使うことで納税がないケースもありますが)

 

基礎控除が減ることで、現在死亡者のうち4%程度である相続税の課税対象者を

6%程度まで引き上げることになるそうです。都市部に土地付きの自宅があるだけ

でも相続税の課税対象者になるケースが出てくると思います。

 

さらに資産家イジメは続きます。

相続税の税率構造も変わります。遺産が増えれば増えるほど高くなっていく税率

構造について、特に高額な部分を引き上げました。

現 行  大 綱 
1,000万円以下  10%   同左
3,000万円以下  15%   同左
5,000万円以下  20%   同左
1億円以下  30%   同左
3億円以下  40%  2億円以下  40% 
3億円以下  45% 
3億円超  50%  6億円以下  50% 
6億円超  55% 

 

とまあ、こんな感じです。やはり庶民には無縁の世界ですね・・・。

上記は平成23年4月1日以後の相続について、適用開始される見込みです。

 

だからというわけではないでしょうが、20歳以上の人が直系尊属(祖父母や父母)

から贈与を受けるケースでは、贈与税率が多少緩和されました。

高額贈与への課税強化がされたその他のケースとあわせてどうぞ。

 

@20歳以上の人が直系尊属から贈与を受ける場合

現 行  大 綱 
200万円以下  10%   同左
300万円以下  15%  400万円以下  15% 
400万円以下  20% 
600万円以下  30%  600万円以下  20% 
1,000万円以下  40%  1,000万円以下  30% 
1,000万円超  50%  1,500万円以下  40% 
3,000万円以下  45% 
4,500万円以下  50% 
4,500万円超  55% 

 

A@以外のケース

現 行  大 綱 
200万円以下  10%   同  左
300万円以下  15% 
400万円以下  20% 
600万円以下  30% 
1,000万円以下  40% 
1,000万円超  50%  1,500万円以下  45% 
3,000万円以下  50% 
3,000万円超  55% 

 

・・・もはや訳が分かりません。うっすら読み取れるのは、おじいちゃんおばあちゃん、

お父さんお母さんは、とにかく孫や子供にお金をあげて、ガンガン使わせなさい、

でもたくさんあげちゃダメだよ手(チョキ)といったことでしょうか?

 

百歩譲ってこの改正でお金が動いたとしても、今の子供世代はそんなにお金を

使うとは思えませんね。はっきり言って効果はない!と思います。

 

こちらの改正は平成23年1月1日からの贈与について適用されます。

 

 

ほかにも生命保険の非課税枠についての改正等はありますが、大きなところは

このくらいでしょうか。

 

私も相続の実務についていると、結構財産もらえるのに思ったより相続税が

少ないな〜と感じることもあり、相続税率の引き上げは基本的に賛成です。

 

ただ、基礎控除を引き下げて課税対象者を広げる方法はいかがでしょうか?

先代から引き継いできた土地と家屋を、相続税のために手放さなければならない

ようなケースが増えることも想定されるからです。何のための基礎控除なので

しょうか?

 

また、贈与税についての緩和も個人的には嫌いです。

以前にも書きましたが、これを使いこなせるのは結局お金持ちだけなのです。

 

 

最後に、やはり一番大きいのは基礎控除の縮減。

「税金は支払わないまでも、相続税の申告はしなければならない」という人が

かなり増えそうです。

 

知らなかったでは済まされないので、我々も周知作業が必要になりそうです。